元旦からちょっと明けたら、葛の葉(白狐の男)がわしを手招きした… 眠りに落ちてから真っ暗な道を行くと平屋の日本家屋があった。
「俺達の新居だ」と葛の葉が言う… 葛の葉、衣装チェンジ。白スーツから浅葱色の袴の若い神主スタイルになっていた。葛の葉はまだ若い白狐…お稲荷様なんだなと実感。
新居の広さは3DKでわりとこじんまりしている。和室二間にダイニングキッチン、縁側有りといった感じだ。外の景色は本州のどこかの田舎のようだ…
「気に入ったか」と聞かれたので、「素敵な家だね」と素直に喜んだ。で、これからお客さんが来るので正月料理の準備をして欲しいと言われる。お酒、お屠蘇は葛の葉が用意するので、おせちはわしが用意しなければならないとか!!! かなり昭和な台所デザインで何をどうしたらいいのやら!!! オロオロしていたら葛の葉は「こうやって作ればいいんだよ」と、お屠蘇のセット赤い漆塗りの模様無しの物を魔法のように出現させた。半分夢で半分があちら側の曖昧な世界線なので、創造性があれば具現化できるのだとか… だから、この新居を発見できる人間はまず存在しないんだってさ(笑)わし、おせち料理&重箱を一発で具現化成功! 起きてからおせち料理を調べたら全部正解だったから驚きだ。
お正月の客を迎える準備ができたら、2人で和服に着替える(笑)葛の葉は濃紺の羽織袴だけど、わしは柿色に紺と白の格子模様の絣に白い前掛けをした(料理を運ぶから)。
で、その客とは… 6天様でした(笑)ちゃぶ台におせち料理やお屠蘇を並べます。和やかに6天様と葛の葉とわしで過ごす… ちょっとお酒も回ってきた時に葛の葉がわしに何か困った事は無いかと聞いてきたので、「いつも変な人間に困っている」事と「銀の指輪が無くなった」事を話すと、葛の葉が「銀の指輪よりももっと素晴らしい物をお前に贈ろう」と笑い… 6天様も「それは素敵だね、わしちゃん期待して待っているといいよ」と楽しくその時は終わった。
その次の日、いつもの6天様の和室…
「初の料理の具現化、あの料理が他の人が食べて美味しかったか非常に心配」と6天様にわしが言うと、「え? オレ個人的には美味しかったけど! 美味しかったかどうかは葛の葉に聞けばいいだろうに」と言われ、わしが「聞けないよ」と言うと… 「何で日本人はこうモジモジしているんだ」と6天様…
そこで何故か、丸刈りにされた幼児姿のベルゼバブ氏が来た…
実は年末にベルゼバブ氏に「わしちゃんの周りの妨害者を全部始末したいんだけど」と聞かれたので、わしが「ベルゼバブ氏に関しては黄泉の女神様なので、そちらに伺って下さい」と言ったのである… そしたらこの丸刈り幼児姿…
「あの日本の黄泉の国の女神、怖すぎだろ!」と青い顔をしてベルゼバブが言った。「お前とは契約してねえ、わしちゃんに対して酷いことをした償いをしろと言ったのだ」と黄泉の国の女神様が言って、無理矢理この姿にベルゼバブ氏を変えてしまったと言う(笑)で、黄泉の国の女神とどのような話をしたのか…については人間のわしには教える事はできないのだと言う。
まあ、古事記のイザナキ・イザナミの話って、男側が原因の離婚話だからなあ… 黄泉の国の女神様は男があんまり好きじゃないっぽいよね(笑)この話を子供時代にわしは読んで、男ってヤツはダメだなと思ったものである。
「二人共、何の話をしているの?」とベルゼバブ氏が聞いてきたので、日本の正月料理…おせち料理の事だよと話すと、日本の正月料理を食べてみた?い!とニコニコして言うので出してあげた結果…
「肉は?」と、目を点にしてベルゼバブ氏… おせち料理一個一個に「昆布巻きはヨロコンブで喜ぶ」とか「数の子は子宝」とか色々な意味があって縁起物でもあるんだよと教える。幼児の姿なのでうまくおせち料理を取ることが出来ないようなので、わしが取り皿を出してよそって「はい、あ?ん」と食べさせてみた… 「味は甘い… なんか食べ慣れてないから微妙だけど… オレの姿が幼児になってもやさしいわしちゃんに感動。ず?っと幼児の姿でいようかなぁ」とベルゼバブ氏がニヤニヤ笑うと… ボン!と煙を立ててもとの日焼けした青年の姿に戻った(笑)そして今度はシワシワの老人の姿に… わしは普通に「はい、あ?んして」と他の料理をベルゼバブ氏のお口に入れてあげた。「わしちゃんって、オレがどんな姿でも本当に態度変えないよね」とウルウルしていたら、元の青年の姿に戻る(笑)
その後、ちょっとしたお遊びでお正月の晴れ着や、着物解説とファッションショー的なのをやって遊ぶ。
簡単な解説をすると…「絣」は和服の普段着で冬物だと羊毛の物がある。「小紋」は細かい模様の着物でちょっとしたおしゃれ着。「紬」は泥染め等で黒か濃い灰色等の物で普段のおしゃれ着。「色無地」は模様の無い着物でちょっとしたおしゃれ着から、帯を変えれば結婚式にも出席できる着物の万能選手。「訪問着」「色留袖」がパーティードレス的な役割の着物。「黒留袖」は結婚式で親族側が着るもの。「振り袖」は未婚の女子だけが着る着物で、成人式の豪華な振り袖はパーティードレスと同じ役割。着物って季節の模様とか色々とあって実は奥深い。紗とか絽とか色々あるし…まあ、わしも素人なんで和服の知識なんてこんなもんである。
なんだかよくわからんが、絣に割烹着って年齢問わず日本人なら誰もが似合う組み合わだと思う。で、なんだかよくわかんないんだけど、6天様とベルゼバブ氏はわしの絣に割烹着姿が妙に萌えたとか(笑)
「絣ってさ、普段着だから来年はもっと華やかなのを着てさ、葛の葉と新年の挨拶をしてほしいなあ。わしちゃんは、フランスのコートも似合っていたけどやっぱ和服が一番似合うよな?」と6天様に言われたので、来年は紬か小紋にしようかなと